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第2シリーズ 9話 「受験と恋と勘違い」
期末試験が1週間後に迫った大事な時期。生徒の個人ノートを読んでいた金八(武田鉄矢)は、椎野一(ひかる一平)が唐突に「ぼく 加藤くんが 好きだ!」と書いているのを見てホモなのではと心配になる。また、赤上近子(伊藤つかさ)は松江次郎(大山大介)に言い寄られて悩んでいる様子だ。
椎野は自分にない強さを持っている加藤優(直江喜一)を信頼し憧れを抱いているのだった。加藤を追ってスナックZの手伝いまでするようになっていたことを知った金八は、椎野が自分の意志を持ち始めたことを喜び、「あいつを鍛えてやってくれ」と加藤に頼む。
一方、次郎は近子から「一緒の高校には行けない」と告げられ困惑していた。理由をあれこれと考え悶々となり、夜の公園で奇声をあげて大森巡査(鈴木正幸)に注意されてしまう。金八はそんな次郎を「別に嫌われたわけじゃない。今は我慢」と励ますが、それでも収まらず、たまたま近子の側にいただけの小川正(庄野たけし)や岩沼幸一郎(片桐貴代司)に突っかかる。その噂は近子の耳にも入り、ついに「いい加減にして。好きでも嫌いでもないんだから」と告げられてしまう。
次郎を連れてスナックZへ向かった金八。女の子をシビレさせるには、女の子に追いかけられるような男になることだと言い、そのためには何かに打ち込んでいる姿を見せることが一番だとアドバイスする。納得しかける次郎だったが、近子が女子高への進学を希望していることを知ると、もはや同じ高校へ行くのは不可能だと笑うしかないのだった。
みどころ談義
- ● オチがあって笑える話はひさしぶりでしたね。そして、序盤から無気力な存在感で異彩を放っていた椎野も、ここでようやくクローズアップされて。
- ○ いきなりあの加藤とのホモ疑惑ってのもスゴイ扱い。金八先生も明らかに動揺した様子で、のちに鶴本直で性同一性障害の問題を採りあげるのと同じドラマシリーズだとはとても思えない(笑)。
- ● そして可愛らしさ3Bナンバーワンの近子もここで脚光を浴びることに。
- ○ 近子が現場でアイドル的な存在だったことは間違いなさそうだよね。前々回の劇のキャスト発表のシーンでも、近子が呼ばれた時だけ回りの反応が違うんだもん。
- ● やっぱり役の上でもちょっと自意識過剰な個性というか、「次郎君自殺したりしないかしら」なんてしれっと言って先生もビックリするような。
- ○ でも自己陶酔型というわけじゃなくて、天然なんだよね。自分にはそのつもりはないのに次郎を振り回すようなことを言っちゃってる。だいたい女子高に進学したいんだともっと早くにはっきり言っていれば次郎も気を揉まなくて済んだんだよ(笑)。
- ● まぁそこは物語ですから(笑)。
- ○ 次郎の方は勘違いだったということになるんだけれど、女の子が気になっちゃって気になっちゃって何も手につかない、あの時期のどうしようもない気持ちはよくわかるなぁ。
- ● そこで金八先生は、悶々とした次郎をスナックZに連れて行くんですよね。スナックZ、すっかり憩いの場所になっちゃって。
- ○ 有効利用してるよね。男しかいないような場所に連れて行って、「女の子をシビレさせるコツ」なんて話をする。スナックZは少し前まで魑魅怒呂の司令部のようなイメージだったんだけれど、金八はその男くささを逆手に取って上手く男子のガス抜きの場所として活用したんだよ。
- ● なるほど〜。次郎をはじめみんな先生のきわどい話に笑ってましたもんね。受験が大事な中三生にも、やっぱり気分転換は必要だと。
- ○ そう。この回自体もね、全体がシリアスな中でも、やっぱりコメディ風の話が必要なんです。
- ○ いきなりあの加藤とのホモ疑惑ってのもスゴイ扱い。金八先生も明らかに動揺した様子で、のちに鶴本直で性同一性障害の問題を採りあげるのと同じドラマシリーズだとはとても思えない(笑)。
その他の周辺状況・小ネタ
- 「ホモ」という言葉を教頭に聞かれてしまった金八と服部は、気まずかったのか「ホモ・サピエンス」と慌ててごまかす。
- 近子によると、次郎とは野球部のマネージャーと選手という関係だったので多く話をしていただけだという。
- 金八と大森巡査の会話の中で、次郎はダンボール屋のせがれであることが判明。
- 金八は、髪の毛をなんと10日以上も洗っていないという! 「毛布被ってるみたい」と自虐ネタ。
- 金八、スパゲティ・ミートソースのことを「タレつけて食うスパゲッティ」と表現。
- 次郎はスナックZでセリフのタイミングを間違え、金八に「遅いんだよお前」と言われるが、そのまま芝居は続きOKシーンとして普通に放送されている。