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◆ 第6シリーズ 7話 「同性愛と異性愛」
ホームルームの時間、秘密の手紙がクラス中をまわった。そこには江藤直美(鈴田林沙)がレズだとの中傷が書かれてあり、打ちひしがれた直美は無断早退してしまう。金八(武田鉄矢)が直美の家に赴くと、直美は鶴本直(上戸彩)を尊敬し憧れているだけだと告白し、直に迷惑が掛かるので学校には行けない、と言って部屋に閉じこもる。
そのころ3年B組では金八のいない給食を迎えていた。食事中、長谷川賢(加藤成亮)の携帯電話が鳴ると、すかさず「見せて」という直。「かなりカラフルだな」と言って返すが、そのときメールアドレスをチェック。廊下に出た直は、自分の携帯電話に賢のメールアドレスを登録する。
学校に戻った金八は、人にはいろいろな愛の形があるのだと説き、自分の愛の形が他人と違うからといって馬鹿にするのは陰険だと訴える。そして直美の手紙について言及すると、生徒たちも陰口は許せないと熱くなる。少々熱が過ぎ教室中を罵声が飛び交うと、山田哲郎(太田佑一)が奇声を発して混乱、それを赤嶺繭子(佐藤めぐみ)、成迫政則(東新良和)、賢が優しく止めると、金八は「ほらね、人の数だけ愛があるでしょう」と言うのだった。
帰宅後、直は「yesterday」という架空の人物になりすまし、賢にメールを送る。そして「ずっと話がしたかった」と呟く。
- みどころ談義
- ● 「人の数だけ愛がある」か…。今日は前半がハンガーマップ、後半は愛について、金八先生の講釈にだいぶ時間が割かれていました。
- ○ そうだね、全体の半分以上が教室のシーンだったんじゃないかな。愛に同性も異性もない。明らかに直に関わってくる事柄だから、金八先生の弁にも熱が入ったと。
- ● 「天国のスプーン、地獄のスプーン」の話、懐かしかったですね。たしか第4シリーズの最終回で一度出たと思うんですが、何度聞いても印象深いお話です。ま、残念ながらその裏側で生徒間に直美の中傷メモが回っていたんですけど。
- ○ 世界レベルの思いやりが必要だという話をしているのに、3Bはすぐ隣にいるクラスメイトをイジメてしまっているという。
- ● 直美はこれまで直の後ろを黙ってついている姿が印象的だったんですが、直の強さに憧れて、直のようになりたかったんですね。
- ○ 小学校でイジメられていたというから、自分なりに何か変えたいと思って、気の強い直に近づきたかったんだろうなぁ。それから、風見陽子も珍しくムキになっていて、クラスで浮いた存在なのをすごく気にしてるようだったじゃない。本当は好きで参考書に向かっているんじゃないとしたら、これもまた胸が痛いよ。
- ● みんな声に出さないけど、悩みを抱えている生徒は3Bに多いようですね。このハンガーマップの話、愛の形の話が、お互いを思いやれるクラスになるきっかけになっていって欲しいです。
- ○ そうだね。…しかし「愛の話」をすると、さすが思春期の子どもたちは食いつきがいいね。みんな生き生きとして金八先生の話に引き込まれていくんだもん。自分も経験あるでしょ?
- ● はい。恥ずかしながら(笑)。ああいう話題は友人同士でも絶対に盛り上がりますね。金八先生は高3の頃に男性に恋してたなんて言ってましたけど、本当かな?
- ○ あはは。あれは坂本竜馬のことだよ。部屋でもチラッと映ってたでしょ。
- ● あっ、そうなんだ(笑)。僕はまた金八先生が気を使って方便でも使ったのかと思いましたよ。
- ○ あぁ、前回政則のところで交通事故を見たことにしようなんて上手いごまかし方してたもんな。そう感じるのもやむなしか(笑)。
- ● それから今回の大事なポイント! 直がyesterdayになってメールを送ることで物語が動きそうなんですけど、このメールという手段が重要な役割を担うようになったというのが、まぁ前作でも少しはあったんですけど、新しい要素といっていいですよね。
- ○ そうだなぁ。無菌室にいる幸作も、仲間からのメールで励まされてる部分が相当あるし。
- ● そのうち「メールの数だけ愛がある」なんて時代になるのかもしれませんね。
- ○ そうだね、全体の半分以上が教室のシーンだったんじゃないかな。愛に同性も異性もない。明らかに直に関わってくる事柄だから、金八先生の弁にも熱が入ったと。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 本屋のレジにある「愛の募金」を盗もうとする儀。店員・遠藤は来店していた乙女の元へ行っておりレジ付近は無人だった。しかしそのとき金八が現れて儀は未遂に終わる。ちなみに乙女は幸作のために大検の本を探していた。
- ◆ 登校中、野菜で満載となった給食配送センターのトラックを見つける3B生徒達。校長との会食シーンへと繋がる。
- ◆ 男性の趣味を語るミッチー。スガッチは「女にしか目が無い」、儀は「顔はタイプだけどハートが恐い」、賢は「ライバルはあかね。眉毛が負ける」、平八郎「う〜ん、タ・イ・プ(笑)」。意外!
- ◆ 「天国のスプーン・地獄のスプーン」の話。カッシー&奈津美のカップルが給食時「あ〜ん」して食べさせている時に解明。
- ◆ 大森巡査、土手にてみかんを食べている国井教頭と遭遇。大森が優しい言葉をかけるとすっきりする国井。ちょっと唐突なシーン。
- ◆ 校長との会食は4班が担当。激しく音を立てて食べる儀、校長の人参嫌いを指摘するチュー、あかねのスプーンを放り投げる雪絵、それを拾おうとしてお盆ごとひっくり返すコボ。3Bは期待を裏切らない。
- ◆ 賢の携帯を見せてもらう直。普段男っぽいしぐさを見せる直だが、このときはしっかり手をはたいてパンくずを落としてから携帯を受け取っている。微笑ましい。
- ◆ ダイエット中の美由紀、給食をほとんど食べていないのに、さらにトイレで嘔吐。拒食症なのか?
- ◆ 「I love you」の最初の日本語訳は「あなたの為なら死んでもいい」だった、と金八は語ったが、実はこれと同じ話を第1シリーズ14話でもしていた。
- ◆ 登校中、野菜で満載となった給食配送センターのトラックを見つける3B生徒達。校長との会食シーンへと繋がる。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【講演】 人の数だけ性はある —異性愛強制社会から多様な性の共生社会へ— (虎井まさ衛、関西大学講演抜粋)
- ◇ 【書籍】 岩波ことわざ辞典 (時田昌瑞著、岩波書店)
- ◇ 【音楽】 まっすぐの唄 アコースティックヴァージョン (海援隊)
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- ◇ 【書籍】 岩波ことわざ辞典 (時田昌瑞著、岩波書店)