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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第7シリーズ 5話 「踊れ!魂のソーラン」

生徒たちの集団授業ボイコットという事態にショックを受けた金八(武田鉄矢)は、夜寝つくことが出来ず、自問自答して「今までのやり方じゃダメなんだ」と考えついたところで朝を迎えた。翌日金八が「ソーラン節が1位をとれば頭を下げる」と半ば挑発するように勝負を持ちかけると、卒業生らの協力もあり、生徒たちは受けて立とうと俄然盛り上がる。

担任を見返してやろうと、昼夜を問わず猛練習をする生徒たち。ひそやかに見守る金八。生徒らは現3Bらしさを出そうとバク転を取り入れることに決め、ここまで孤立していた丸山しゅう(八乙女光)に白羽の矢が立つ。またリーダー格の倉田直明(今福俊介)は、狩野伸太郎(濱田岳)をセンターに置くことを提案する。

文化祭当日。緊張する伸太郎に金八が「勝負だ!」と声を掛け、ソーラン節が始まった。魂の込もった素晴らしい演技に会場も一体となって盛り上がり、B組は見事敢闘賞を獲得するのである。

教室へ戻り、金八が「私の負けです」と深々と頭を下げると、クラスを代表して直明が「引き分けでどうですか」と言う。学級崩壊の危機を乗り切った金八は、支えてくれたかつての教え子達にも「ありがとうございました」と頭を下げるのだった。

04年11月12日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 福澤克雄

視聴率: 10.9%

DVD: 第3巻

参考文献・挿入歌

 みどころ&勝手な解説
○ いやぁ、大感動! しっかりと気持ちのこもったソーラン節、よくまとまりながらも個人個人の躍動感が溢れる演技、本当に素晴らしかった!
● でも、あんなに分かりやすい挑発に易々と乗るかなぁ…?
○ 力を出し切って踊り終えると、ただの芝居ではない本物の涙が多くの生徒の頬を伝っていて、思わずこちらまでもらい泣きしてしまったよ。
● 卒業生が出すぎだし、ゲーマー君まで一致団結するのはどうも…。
○ あの文化祭の撮影のために、影では相当に厳しい稽古と血の滲むような努力があったんだろうなぁ。
● 短期間でマスターしすぎだし、あそこでJupiterというのも…。
○ ちょっとちょっと、さっきからそう言うあなたもね、いざソーラン節の本番が始まったらすっかり引き込まれていたじゃない。
● あぅ〜、実はそうなんです…うぅぅ。あのパフォーマンスには掛け値なしで感動しました。
○ でしょ。感動は素直に受け入れなさい。あの魂のソーラン節は、例えそれまでにおかしな展開があったとしても、決して色褪せるものじゃない。それにね、あなたが腑に落ちないと思っているいくつかの場面も、考えを巡らせれば割と合点がいくんだよ。
● うぅぅ…。それ、詳しく聞きたいですね。
○ 挑発に簡単に乗るし卒業生出すぎ、と言うけどね、まず金八先生は自分がヒールになることでクラスをまとめようとするんだよ。身近に敵を作ることで結束を高めるというやり方。そして、金八が寝ずに考えて辿り着いたのが「今までのやり方じゃダメ」ということ。それで教え子の力を借りたのかな。生徒たちと年齢が近いヒノケイらに頼んで煽ってもらえば火が着くんじゃないかということで、うまくソーランへ誘導したと思うよ。
● 「いいことはおかげさま」というわけですか。ということはヒノケイたちは突然教室に現れたわけではなくて、金八先生に請われて一役買ったと。
○ そうそう。もう「今までのやり方じゃダメ」だと結論付けたのにはとても勇気が要ったと思うんだけれど、一方で今までの実績・経験はずっと生きているということも金八はちゃんと分かっていたんだね。だから卒業生に堂々と頼ることにしたし、ラストでも頭を下げた。それに3B生徒たちも先輩に教わることで上下関係を理解して、懸案だった敬意や尊敬の心も芽生えてくる。
● なるほど…。
○ それからJupiterだけど、あまりにも有名なヒット曲だから違和感を感じるのは分かる。でもね、この曲がどのような場面で流れたか覚えてる?
● 2回あって、最初はしゅうがバク転の役に指名された時、次はヤヨが「せーの、ヤァ!」と言って文化祭での演技が終了した時です。…あっ!
○ どちらとも、3Bの意識がひとつになった時に流れているんだよね。しゅうはソーラン節の練習が始まっても輪の中に入れずに孤立していた。それが康二郎の推薦で大役を任されることになって、ようやく仲間に入れてもらえることができたと小さくガッツポーズを作る…。ここでJupiterだもんね。泣いたよ。歌詞にあるように「ひとりじゃない」んだって。
● そうだったんですか…。クラスがひとつになった瞬間か。ストーリー的にも重要ですね。ソーラン終了時は言わずもがな、ヤヨも入ってみんなが一致団結したところですもんね。
○ それにしてもこのソーラン節は感動したよね。過去2回のソーランと比較しても、そこに至るまでの過程が非常に筋が通っていたから説得力があったし。
● あの演技、色々な角度から撮影されていましたけど、ぜひその全てを見たいですね。
○ そうだね。一生懸命に踊る個人のアップも見たいし、引いたところからの全体映像で最初から最後までみたい気もする。
● いずれDVDが出るでしょうから、その時に特典映像でぜひいろんな角度からのソーラン節を収録して欲しいなぁ!
○ 大賛成! 本編とは別販売の裏側DVDとしてリリースされても絶対買う。
● それから、今回忘れちゃいけないのは、最後で伸太郎が見せた涙ですよ。
○ 踊り終えた時もそうだし、教室で金八先生が頭を下げた後に見せた堪らないような涙も印象深かった。
● グッときました。ただ、伸太郎の性格設定、担任の揚げ足をとって茶々入れるような生徒は先生が怒るようなことをわざわざ言って面白がっているわけで、相手が本気で怒ったら「やりすぎた」とシュンとするのが普通ではないかと。はじめに金八先生にあそこまで反抗したのは不自然だと思うんですが。
○ だから伸太郎は普通の悪ガキ君じゃないんだろうね。給食費の件もあるし何か問題を抱えている。そういえば今回狩野鉄骨工業の中でソーランの練習をしていたけど、全く操業していないようにも見えたし。
● !!!
○ 夜練習していたんだとは思うけれど、もしかすると…。
 小ネタ拾い読み
◆土手で生徒がボイコットしていた時の構図が、第1シリーズ16話の課外授業と同じ。
◆ソーラン節の練習に駆けつけた卒業生は…日野敬太・ヒノケイ(第5シリーズ)、桜田友子(5)、森山慶貴(5)、森田香織(6)、榛葉里佳(6)、比留間和憲・ヒルマン(5)、松岡敏江(5)、馬場恭子・かあさん(6)、菅俊大・スガッチ(6)、木村美紀(6)、信太宏文(6)、それから道政(大川)明子(2)
◆友子と慶貴は、中学時代にはソーラン節を踊っていなかったような気が…。
◆会場は桜中体育館という設定だが、収録は緑山で行われた。一般公募のエキストラ観客が多数参加した。
◆ずっと鳶の格好で練習に付き合っていた友子だが、文化祭当日にはきちんと洋服を着ていた。
◆ラストの下校シーンで、直明が「タコヤキ食いに行かねぇ?」とさりげなく友情の象徴をアピール。
◆途中で流れたCMの中で、ベンガルさんも「アチャー」と言っている。
 過去の金八シリーズでは
■自信を無くす金八
…第1シリーズ19話、2人の入試不合格者を出してしまった金八はすっかり自信喪失。不合格者の1人でしっかり者の中尾友行に弱音を吐き、もう1人の不合格者・屋島みゆきを励ましてくれるように頼んだ。
■ボイコット
…第1シリーズ22話で生徒たちが謝恩会をボイコットする騒動があったが、この時は自分たちの手で改めてお別れ会を企画したいという思いからであった。
■この空の下で
…A組の演目である「この空の下で」の合唱。実は第6シリーズでもA組が歌っていた。B組のソーラン節と同様に、この曲がA組の伝統になっているのかもしれない。
■バク転
…第1シリーズ19話で、公立校に合格した高倉勇が喜びのあまり校庭で披露。
 みなさんからの印象的なお便り
◇実は放映で流れた本番は前のリハーサルでは全員シーンとしてあのソーラン節を見ていたんですよ、無論3B全員もそのように聞いていたみたいです。しかし、我々(註:エキストラ観衆)には福澤さん(註:演出チーフ)からは本番は全員で一緒に踊って下さいと依頼されていました。そして、あの本番なんですよ。で、最後に彼らが流していた涙は演出でも何でもなく自然な涙なんですよ。 (袴田課長さん)
◇最後の下校のシーンで伸太郎のカバンが紙袋だったことに気がつきました〜…なんか家の事情と関係してるような気がします…。 (にっしぃさん)

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